011 009

セボネの季節

© Maki Nakagawa & Jingernon Tsumori.
さかなのセボネに
くるむ青空

イケスかない
ニンゲンの豪奢
樹々はもっそり、こんもり
カミの作った
カミ念土

細工しよう

地上を遥か、浄空、約
300キロメートルのカナ田から
アナ田に堕ちる、
ぽそりと鉄球
ただひとつ

抱きしめて
つんざく無音の
ヂューヨク、ひとつ *1
音速の、恩寵波

植えた根に、
みゃーみゃー泣くのは
猫の子か?

均等に、並んで育つ、
これがわれらの宿命(さだめ)と云うか
あるいは、それともマボロシか?

どこまでも、
落ちてゆかん―

ソラにトンボの、ない季節
めでたき鉄塔たつ日和
そのテッペンに

あたれ!

FirstScript; 2006.2.5.
*1) ヂューヨク : 獣欲、重力、自由翼。
(自由と重力。人間の欲望。)