014 012

鏡にソラは高くとも

© Maki Nakagawa & Jingernon Tsumori.
渡る世間はクイばかり
ほらごらん、デスギル某に
阿呆鳥

ウッカリ、ポトリ、
アタリ、バァ

デルクイの面喰いは、
ハスにかまえて見惚れてる
うっとり自己アイ
ナニヌネの

さらさら学ぶつもりはないし
アリガトーは、さも
有り難(なん)

その矛盾―
世のなかは、タテと
ホコりの穴だらけ
ほころびきれない
タコ社会

よろこびは、薄く吐く
デモ暮らしぃは
消えてゆく

争いごとのチカラ押し
世相そうそう、しょっからい
コショウ少々入れすぎた
阿呆の仕切るこのミナモ

アー、マタダ!

あたまにトリのせ、鳥アタマ
ミッカで忘れ、トリはまた

―でも、
鳥はそらを飛んだ

クイだけが残った

FirstScript; 2006.2.20.
鏡に映った馬鹿を見る、クイだけ残る浮世仮名。