016 014

春なれば

© Maki Nakagawa & Jingernon Tsumori.
キャベツのようなアオい手で
サクラのソノの、青いそら
両手をあげてひろげれば

どすん、と手頃な
重みがひとつ、
あたまのうえから
落ちてきた

胸にかかえて抱き見れば
春の花びら、散りもせず、
ときめくように独りごつ

ソラから落ちる
キャベツの玉を
ぼすん、ぼすん、と
浴びる午後

ばかん、と割れて
キャベ太郎
オギャーと泣いて
跳びだした!

おーハシャギ

たわむれる、
キャベツのあおぞら
花ざくら

FirstScript; 2006.4.15.
棚からぼた餅、ソラからキャベツ。
まちがっても、これは恋のウタではないのであった。